わたし、よく考えると、高校時代まで部活中心で、
デートなんてしたことなかったかも?
中学時代からテニス部で、いつも外で活動していたわたしは、
男の子に負けないくらい真っ黒。
彼氏なんで出来ることもなかった。
というか、部活後、友達との買い食いやカラオケが楽しくて、
男の子に興味を持つこともなかった。
そのわたしが短大に入学してから入ったのは、
言うまでもなくテニスサークル。
何を隠そう、実はこのサークルでテニスをしたのはたった1回だけで、
ほとんどは遊び中心となっていたのだけれど・・・。
残念。
このサークルで、初めての彼氏ができたのだけれど、
実は、初めて一緒にイルミネーションを見たのは、別の人なんだけどね。
わたしの行っていた短大は、もちろん女子ばかり。
そんなわたしの出会いの場所は、サークルもしくはコンパしかなかったのだ。
高校時代のわたしから生まれ変わったように、
周りの女の子たちのように彼氏が欲しくなっていた。
生まれて初めて、高校時代の友達からコンパに誘われた。
2つ返事でOK。
4対4のコンパだった。
待ち合わせ場所に現れた人たちは、
皆それぞれオシャレなタイプで、テンションも上がる。
その中で、黒いタンクトップに白いシャツを着た人に目が釘付け。
細身なのに、白いシャツから出た筋肉質の腕から目が離せなかった。
飲み会では、誰と誰がどうのっていう雰囲気もなく、皆で楽しく飲んでいた。
が・・・。
その中の一人が、酔っぱらったのか、トイレに籠りっきりになってしまった。
せっかくの楽しい雰囲気が台無しだ。
わたしは介抱するはめに。
結局、最後までトイレから離れなかった彼女を
わたしが送ることになってしまい、テンションダウン。
ところが!!!
あの筋肉質の彼も同じ路線の電車に乗ることが判明。
クーラーの効いた社内は、素面になってしまったわたしでも寒さを感じるくらい。
当然、酔っぱらった友人には寒すぎたようで、
「寒い。寒い。」
と、騒ぎ始めた。
そのとき。
例の彼が、自分の着ていたシャツを彼女に貸してあげたのだ。
当然、丸出しになった肩から腕。
もぅ、恥ずかしくて顔を上げることもできなくなってしまった。
思えば、このときから、わたしの“腕フェチ”が始まったのかもしれない。
無事に彼女を送り届けたあと、連絡先を交換したわたしは有頂天だった。
翌日のお礼のメールからやり取りが続き、
彼が8歳年上のゴルファーの玉子だということがわかった。
どんどん魅かれていくわたし。
日中、ゴルフ場でバイトし、夜、練習をしている彼とのデートは、
練習後の食事か、カラオケに行くことくらいしかなかった。
ある日の食事のあと。
大阪と和歌山の県境付近にある、ゴルフの打ちっぱなし場に連れていかれた。
でも時間は11時。
車を止めて、5分もしないうちに、ゴルフ場の電気が消えてしまった。
すると、そこに現れたのは、わたしの地元の電気たち。
山の上から見ると、こんなに綺麗だったんだ。
それが、初めてみたイルミネーション。
もちろん、男の人にそんな光景を見せてもらったことにも感動し、
ますます彼に魅かれたのだけれど、わたしが彼とお付き合いすることはなかった。
だんだん、昼間にデートしたいという欲望が、湧いてきてしまったから・・・。
わたしがもっと年齢以上に大人だったらよかったのかもしれない。
今でも、初めてみた夜景は、わたしの胸の中で宝物として残っている。
彼の印象より強く。
彼には申し訳ないけれど・・・。